毎月支払う条件で組んだ住宅ローンですが、
「会社が倒産した」
「リストラされた」
「病気になってしまった」
など、さまざまな事情で支払えなくなることもあります。そんなとき、ふと頭をよぎるのが「競売」という言葉。多くの人は「競売にかけられること」は最悪のパターンとして認識しているのではないでしょうか。そこで任意売却という方法で回避できるケースもあります。
住宅ローンの支払いが滞ると「競売」になる可能性
マイホームを買うためには多額のお金が必要なので、多くの人が住宅ローンでお金を借りることになると思います。住宅ローンで借りた場合には、支払いが滞ると、金融機関から「払って欲しい」という通知が何度も金融機関から届くはずです。しかし、これを放置し続けることで「競売」が開始されてしまいます。
競売は強制的に売却される最悪のパターン
滞納が続いて通知を放置していると、競売の手続きが始まります。借りている金融機関ごとに期間が異なりますが、支払いを滞らせてから半年程度そのままにしていると「競売開始決定」の通知が届きます。その後、1~2か月くらいで裁判所の執行官と不動産の価格を鑑定する不動産鑑定士が、ベースとなる価格の調査にやってきます。調査は法的なものなので立ち入りを拒否することはできません。家のなかを細かく調査され、写真も撮影されていきます。この調査により売却の基準価格が決まっていきますが、市場価格の5~7割減と大幅にダウンした価格で決定してしまいます。調査は家のなかだけでなく、敷地や周辺も調査されるので、近隣にばれてしまいます。
競売では、基本的に安い価格で落札されることになり、住宅ローンの残債をすべて支払うことはできないでしょう。結果的に、家を失うだけでなく、自己破産しなければならないなど悲しい結末となってしまうのです。
任意売却のメリット・デメリット
競売にかかってしまうと最終的にいろんなものを失ってしまいます。そこで、競売にかけられるのを回避する方法として、任意売却というものがあります。
任意売却のメリット
市場価格よりも格安となる競売と違って、任意売却は市場価格に近い価格となります。競売と比較すると、少しでも高く売却ができます。それに、一般的な不動産売却のような感じで進められるので、競売のように「ローンを滞納してしまった」というようなプライバシーが周囲に漏れてしまう心配も少ないです。
そして、落札された後に強制的に退去をしなければならない競売と違い、引き渡し時期などの条件面も相談に応じてもらえるでしょう。また、債務が残った場合でも返済額を少なくしてもらえる交渉もできます。
任意売却のデメリット
任意売却は、実際に滞納をしていることが条件で利用できるものです。滞納が続けばブラックリストと呼ばれる信用情報に事故として登録されることを知っておくといいでしょう。また、任意売却は自分だけで進められるものではなく、金融機関や保証人からの同意を得なければならないなど交渉事もあります。それに、任意売却にしたからと買い手が見つからなければ売れることはありません。
このように、任意売却にはメリットだけでなくデメリットもあります。それに、タイミングの問題など難しいことも多く、専門的知識や実績が豊富な業者に依頼することが大事です。住宅ローンの支払いは、安易に考えず、支払いが困難になってきたら、まずは金融機関へ相談してみることが大事です。任意売却以外で解決策が見つかることもあります。また、それでも支払いが困難なら任意売却を前提として法律の専門家に相談してみるのもいいでしょう。いずれにしても手遅れにならないためにも、早期に動いてみてくださいね。